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マチュピチュのグッバイボーイ 2004/09/05
 

2004-0905gboy7fd9c26c.jpg
ECナビ サンデーコラム「やっしーの★南米 旅ゴコロ★」より
  僕はその時、ペルーの空中都市マチピチュ遺跡にいた。
  途方に暮れていた。

  麓へ帰るはずのバスに乗り遅れ、
  他のバスを探したが、何故かどこも満席。
  マジかよ!?このまま山頂に置き去りか!?
  おいおい、ここの夜はまずいだろー。誘拐されて新聞に載っちゃうよー。
  マイナス的思考を濁流のように思い浮べていると、後ろから声がする。

  『おい!俺についてきなよ!日本人!』

  振り返ると、怪しげな民族衣装を着た10才位のペルー人少年が一人。
  おいおい、海外観光地名物のお土産売りクソガキに用はないのだよ。
  無視する僕の手をやたら引っ張り、付いて来いとジェスチャーする少年。
  周りのおっさん達も少年について行けといっているような雰囲気に・・・。

  実は、彼はグッバイボーイと呼ばれているマチピチュの名物少年だった。
  ペルー奥地のアマゾンの山頂あるマチピチュ遺跡は、世界的にも有名。
  そこで彼は生計を立てている。

  どうやってお金を稼いでいるのか?
  その答えを彼の後を追って、僕は知ることになる。

  まず、彼は
  マチピチュの山頂で麓に帰る観光客の目につくように手を振る。
  『グッバーイ!グッバーイ!』と大声で。(だから、グッバイボーイな訳)
  そして、世界各国の観光客を乗せたバスが曲がりくねった山道を下る。
  カーブを一つ曲がると、
  なんと先ほどの少年がまたグッバーイ!と手を振る。
  さらにカーブを曲がるとまた、その少年が手を振っている。
  最終的は、バスより早く麓に着いている。
  そんなグッバイボーイに観光客は拍手喝采。
  彼はそうやって、観光客からのチップももらい、生計を立てている。

  どうやってバスを早回りしているのか?答えは簡単。
  彼は、道なきアマゾンの山の中を一直線に山を下りてくから。
  何故知っているかというと、僕もグッバイボーイと一緒に走ったから。

  あの時おっさん達の雰囲気に飲まれて、少年についていくと、
  道なき山の中を信じられない速さ走るではありませんか!
  はっきり言って、速攻、わき腹がア、痛ーで、臨界点突破ですよ。
  早くもバテバテで、大きく引き離される僕。
  アマゾンの森の中にグッバイボーイの背中が消えていく。。。
  はえーよ!グッバイボーイ。金メダルクラスだよ。グッバイボーイ。

  僕を待つグッバイボーイに『こいつ、遅せーな』的な軽蔑の視線が浮かぶ。
  『こちとら日本人なんじゃー!』と走りながら心の中で叫び、対抗してみる。
  (↑間違った日本人魂炸裂!!)

  何分走ったかは、全く記憶にない。
  意識朦朧の中、必死に走っていると、ガッと道が開けた。
  そして、そこには見覚えのあるバスが走ってくるではないか!
  笑顔のグッバイボーイ。クソガキなんて思って、ごめんよー!

  お礼もそこそこに何とか停車してくれたバスに乗り込み一安心。

  マチピチュの麓に到着すると、お約束の通り、グッバイボーイが登場した。
  バスの中は、観光客の席を回り、小銭をゲットしている。
  やがて僕の目の前にやって来たグッバイボーイに
  拙いスペイン語でお礼をいって、小銭とチョコレートを渡した。

  グラシャス!グッバイボーイ!!

  グッバイボーイに関しては、後日談がひとつ。南米から日本に帰ってきて、
  しばらくすると偶然テレビに映るグッバイボーイを発見。
  まさにあの時の少年が日本のテレビに元気に映っている。
  さらに驚いたことに、2人の弟子もいるらしい。
  今もあのマチピチュの山中をグッバイボーイが走っているのかと思うと、
  何故かウキウキとしてくるんだよね。

会ってみたいもんだな、グッバイボーイ。
一緒に走るのはご勘弁だけど、、、

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