
(写真が問題のうつわ。)
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第一印象@備前
始まったと書きましたが、本当は伊部駅より手前に備前には着いていたし、
備前焼の看板は出てたしで、もっと前から始まってはいたんですけど、
備前はやっぱり伊部が中心のようです。
着いてみてわかったんですけど、とにかく町が小さい。
いや、「町」と呼べる部分が小さいんです。
おそらくそこを「備前」と言っているような、そんな感じがします。
で、その備前にほんとにたくさんの窯元がいて備前を形成しているような、そんな感じを受けました。
とまぁそんなことは今になって言えるんですけど、そのときはもう「やっと着いたー」的な感じでした。
まぁあのMINIで2時間も運転させられたらそう思いますよ誰でも。
とまぁ奥さんへのさりげない愚痴はこのくらいにして。
でその伊部駅には、併設して観光客用の無料駐車場がありました。
日曜日の正午過ぎに到着したんですけど、20台くらい停めることのできるその駐車場は、半分くらい空いてました。
まぁ、車で来るお客も少ないのかな。それと、日曜日だったしね。
とか思いながら、まずは腹ごしらえです。
ほんのちょっとだけそのあたりを歩きましたが、あまりいい雰囲気のご飯やさんは見つかりませんでした。
で面倒くさいので奥さんと相談した結果、駅の喫茶店で昼食を取ることになったんです。
本当は寿司屋さんとかもあったんですけど、まだ初日だし、
今回はお金も結構使うだろうって言う理由で自重したんです。自重。えらい。
でも、その喫茶店に入って驚かされました。
カップやお皿が備前焼なんです。緋襷がくっきりと刻まれていました。
いきなり感動です。今まで高そうなうつわ屋さんでしか見たことの無かった陶器類が、
こんななんでもない、店員さんの愛想も全然よくない喫茶店で出てくるんです。
ここいらの人にとっては当たり前なんですね。備前焼が。当たり前か。
大阪の家庭では一家に一台たこ焼き焼機があるって言ったらみんなびっくりしますもんね。
焼きそば定食って言って、焼きそばとご飯。
炭水化物で炭水化物を食べるって言ったらびっくりしますもんね。
札幌では一家に一台、麻雀セットがあるって話です(ほんと?)。
なのでそこいらの人にとっては当たり前なのです。
とまぁ一通り感動したり、コーヒーを飲みながら「稲中卓球部」を読んだり。
初めて稲中卓球部を読んだうちの奥さんは、泣きながら笑ってました。うんあれは名作。
でもこんなところで長居するもの味気ないので、いい加減にして出ることにしました。
これから本格的な備前探訪の始まりです。
ところで、喫茶店で食べたドライカレーもまあまあでしたよ。
あ、それと今思い出すと、喫茶店の備前は偽物だったかも。

(写真が話題のあの人。)
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森 陶翠苑
で、喫茶店を出ても当てもありません。とりあえず冷やかして回ろうと言うことで。
3件目に「森 陶翠苑」という看板が見えました。
表のショーウィンドウにはちっちゃな茶香炉で10万円とかのものしか。
なんだか構えも古めかしくて小難しい感じなんです。
冷やかすことも難しいと思ったら、少し開いたドアから中の商品が見えます。そこにあったのは1,500円の茶碗。
安いのもあるのねと思いながら、意を決して中へはいることにしまいした。
第一印象は、そこのおじさんが親切。
左馬(ひだりうま)っていうのを初めて教えてもらいました。
初釜(釜を作ったり作り直したときに、始めて焼く焼き物)。
一通り説明を聞き、お茶を飲んだりお菓子を食べたり。
あの、どうでも良いんですけど、
備前でお店を冷やかすときは覚悟していかなければなりませんよ。
まず人が親切すぎ。なので、1件あたり1時間半は見ておかないとダメです。
お茶やお菓子があたりまえのように出ます。
挙げ句の果てにお酒が出たり、晩ご飯が出る勢いの店もありました。
あり得ません。
ここでも山盛りお菓子やお茶をいただきました。
本当は森風来先生(どれだけ有名なのかも知らずに勝手に気に入ってしまいました)
の作品が気に入ったのですが、あまりにも高いので断念しました。
おそらく表に飾っていた10万円の茶香炉はその先生のものでしょう。
と言うことで、お茶やお菓子をごちそうになりながら、何も買わずに次のお店に行こう
とすると、選手交代です。
今まで対応してくれていたおじさんは奥へ行ってしまって、代わりにそのお母さんとお
ぼしきおばあさんが出てきました(※写真参照)。
そのおばあさんがクロージング力はものすごいものがあって、
結局、はじめに見た左馬の飯椀をいただくことに。押しはものすごかったですけど、
今となっては本当に感謝しています。ほんとに良いものをいただきました。
そのおばあさんも焼き物をやってました。でも商品として売れるのかなぁ。
なんか小学生の時の体験学習みたいだったよ。
でも、商品の良さと、値段の手頃さに感動しつつ、やっとこさその店を出ることに成功。
で、後で知ったことなんですけど、
- そのおじさん、後楽園の園長さんでした。県庁に勤めてるって言ってたので、い
わゆる市の職員だと思っていたら、そういえばそうですよね。当日持って行ったる
るぶに載っててびっくり。
- さらに、森風来先生という方は、すごい人みたいで、後で行った美術館で作品が飾
っていました。
おじさんには、いきなり買わなくても、ゆっくりそろえたらいいとおっしゃってい
ただきましたが、いつかあの作品を家で愛でることができたらと思います。
もっと勉強してから行けば良かったと反省しきりです。
※今は、そのときの縁で、風来先生の孫に当たる「大雅」さんから作品を仕入れてさせ
て頂いています。本当にどんな縁があるかわかりませんね。

(そろそろ日も暮れかかった頃。)
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松井先生
気をよくして次の店へ。
もう店の構えなんて気になりません。構えがきちんとしないところの方が「味」があります。
何てったって、森陶翠苑で一通り知識をつけましたから、もう何でもござれです。
とまぁ勝手に思っているだけですけれども、本当に森陶翠苑ではいろんなことを教えて頂きました。
今考えるとなんて失礼なんだろうとも思いますが、作品の写真もかなり撮らせて頂きましたし、もう言うことなしです。
で、次の店に行くときに考えていたのは、僕たちも飯椀がほしいということ。
と言うのも、森陶翠苑で買った飯椀は、既に友人のおみやげになることが確定していたからです。
なので、僕らも欲しい。
と言うことで、意気揚々と次の店に行くことになりました。
次はお店ではなく、どう見ても一軒家です。
何とか看板はありますが、どう見ても普通のおうち。
これです。僕たちが求めていたもの。こんな何気ない普通の家に名作は埋もれているものです。
何てったってもう備前を制覇した感じでいますから。恐れ多くもそんな気分です。
そのおうちに入ってみると、部屋の離れには気むずかしい顔したおじさんが一人。
そしてたくさんの備前焼が並んでいます。
期待に胸をふくらませて堂々と中へ…。
「がびーん」
たたきのめされました。
とっても昔気質の作家さん。
確かにそういった方々が今日の備前焼きを築いてきたんだと思うんですけど、
えと、もう少し優しくしてください。
結構気に入った飯椀があったんですけど、
私たち夫婦:「明日も来ますので、もう一日考えさせてください。私たちは他のお店の商品も見たいんです。」
松井先生:「そんなこと言って来た人はおらん。絶対に来ないんやから今日決めぃ。」
と言って、結局物別れでした。
きっと私たちが失礼なことをしたんでしょうけど、初心者を優しく迎える体制があれば、もっとよかったんですけど。
向う見ずすぎました(T_T)

(たたきのめされた後に瓦のネズミが慰めてくれました。)
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プロとアマの違いは、お店でお茶をよばれるかどうかにかかっています。
松井先生のところでたたきのめされて外に出ると、もう外は夕暮れを迎えていました。
前も書きましたけど、備前に来てまだ3件目です。
でももう夕方です。一件にいる時間が長い!!
次に行くときは、ペットボトルのお茶とお茶菓子持参で行きましょう。
で、お店でお茶が出てきそうになったら、
「持ってますから結構です。」
で早々と出ましょう。
それにしても、本当にゆっくり時間が流れる場所です。
長期休暇だからってのもあるとは思いますが、日常ではありません。
この「非日常」に暮らしている人たちは、みんな優しい。
そんな皆さんの想いがいっぱい詰まったうつわたちを、と言うよりもその想い自身を
どれだけ忠実に表現できるか、紹介できるかが僕たち神戸うつわやカフェの役目だと思います。
とまぁいい子ちゃんのコメントをしてますけど。
それにしても、時間がないせいでほとんどお店を回れずじまいです。
「備前」自身はあまり大きくないとは思ったんですけど、たぶん作家だけで500人や1000人はくだらないと思うんです。
のに、まだ3人です。
一通り回ろうと思ったら、一年かかる計算ですな(めちゃめちゃ乱暴ですけど)。
萩も回ろうと思ってた僕がバカでした。
城崎なんかに行ってたら、備前では一件も回れない可能性の方が高かったです。
いつか実店舗をもって器を販売している方が、備前(などの産地)へは日帰りで行くとおっしゃっていましたが、
すごすぎます。さすがプロ。

(山本旅館。落ち着いた雰囲気。)
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山本旅館
松井先生のところをでて、今日のところは店じまいです。
そうそう。店じまいと言えば、もう夕方にはほとんどのお店は店じまいしていました。
日曜日の夕方だと、観光客も少ないのかな?
暗くなりかけた道をMINIでひた走ります。
JRをくぐって瀬戸内海沿いを南へ下ります。
それにしても、このあたりはコンテナ工場が多くて、ここまで来ると備前焼の雰囲気は全然ありません。
道は狭いし、暗いしで、かなり不安…。
それにしても、備前は海と山が近い。
てなこと言いながら自然を愛でる振りをする夫婦。
とか言いながら走っていると、急に「山本旅館」の看板が目に飛び込んできましたがもう遅いっちゅうねん!
道が狭いので全然Uターンできずにもたもたしながら、何とか到着しました。
見たところ正面は結構きれいな感じです。
こぢんまりとしたこぎれいな旅館。
さっそくあのおばあさんらしき人が出てきました。
「あれだな。ご陽気お母さんは。」(※3 宿選び参照)
おばか夫婦は心で思いながら、まずは丁寧にご挨拶です。
中もきれいです。
当然と言えば当然なんですけど、なにせご陽気お母さんの印象が強かったので、
「ち。」
普通の旅館にちょっと残念気味の夫婦。
ロビーには備前焼を売りにしている旅館だけあって、50cmくらいの備前焼の七福神の置物が正面のカウンターに飾っていました。
二階の部屋に通されましたが、これも普通です。
「ち。」
強いて言えば、部屋に鍵がないくらいでしょうか。
それもこんな旅館ではよくあることですよね。
部屋に荷物を置いたら、早速お風呂です。
檜のお風呂でとてもきれいでいい香りでした。
床には備前玉がたっくさん埋まっていて、ちょっと足が痛いけど健康に良さそうです。
さて、次はいよいよあなすきです。
歩きづめの夫婦もいい加減おなかがすいています。
やはり旅の醍醐味はごはんです。ご飯命。カロリー最高。